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松阪の住宅

主要用途:美容院併用住宅
所在地 :三重県松阪市
構造規模:鉄骨造、2階建て
構造設計:金箱構造設計事務所
照明設計:中島龍興照明デザイン研究所
敷地面積:335.32平米
建築面積:98.01平米
延床面積:122.71平米
施工  :織田建設
期間  :2005年1月〜2006年3月
東側外観

「小さな部屋を集めた家」

 仕事場である美容院を併設した個人住宅である。ここに住まわれるのは当面一人であるため、一般的な広いLDKを作ると一人では大き過ぎる空間で少し寂しい。逆にワンルームアパートのような一人用の空間にしてしまうと、家族が増える可能性を建築的に否定することになってしまう。
 そこで、4.5帖を一つの単位とした小さな部屋をたくさん集め住宅+美容院とした。それぞれの4.5帖の単位は昔の日本家屋のように続き間となっているが、全て天井高が違い、床材の向き、開口部の位置・大きさも一つ一つ変化させている。そうすることで音の反射や照度・足の感触が微妙に違い、4.5帖毎にゆるやかに分節されていながら、同時に視線の抜けたつながりも獲得している。
 全体は2階も最小限にしてコンパクトにまとめ、美容院や水廻りも含めて回遊性のあるプランニングになっている。外観は2階のある部分を頂点として異なる天井高さをつないだ最小限のボリュームとしている。壁と屋根を連続して仕上げ、樋がない傾いた稜線を持つ形となっており、パースが全くきいていなかのような、パースがきき過ぎているかのような、不思議な印象をもつ外観となった。