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香芝の住宅

主要用途:専用住宅
所在地 :奈良県香芝市
構造規模:木造、2階建て
構造設計:望月泰宏
照明設計:中島龍興照明デザイン研究所
敷地面積:297.54平米
建築面積:98.90平米
延床面積:175.68平米
施工  :香芝木材センター
期間  :2005年5月〜2006年4月
ベランダと水平日除け

「眺望を取り込む家」

 山を切り崩してできあがった新興住宅地にある専用住宅である。敷地を初めて訪れた5月頃は心地よい風が吹き、敷地に生えた雑草がたなびき、二上山を望む眺望が素晴らしい場所であった。しかしその周辺はすでに宅地として売却されており、すぐに住宅で埋め尽くされることになるという。そうなると北側道路面から見えていた眺望は全て住宅で覆い隠されてしまうのではないかと考え、本計画では少しでもこの眺望と環境を取り込み、残すことを考えた。
 斜面状宅地の下部は現在空地であるが、いずれ住宅が建つ予定である。そこで、将来的にもその眺望が確保できる2階に皆が集まるワンルームリビングを配置した。南側は1、2階とも全面開口として眺望を最大限取り込んでいる。特に2階は夏の日射とプライバシー対策としてルーバー引き戸をベランダ先端に設置し、外の環境を室内に取り込むようにしている。また水平の日除けが構造的な横力を受けることで、極力壁面を設けない開放的なガラス面を可能にしている。
 傾斜天井にすることでどこにいても空を感じられ、遠く山を見渡すことのできる家である。